ドロ舟のカナヅチ

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国をひとつの大家族に作り上げる夢

連行されて分かった、中国は外国人をここまで監視している 尾行・監視は当たり前、そんな国で五輪を開催させていいのか | JBpress (ジェイビープレス)

無邪気な日本人は気づかないと、スマホのアプリで抜かれた情報が、こういう場面で役立っているのかも。習近平は中国を一枚板の大家族に作り上げるまで止まらないよ。

2022/01/03 09:52


無邪気な日本人は気づかないと、スマホのアプリで抜かれた情報が、こういう場面で役立っているのかも。習近平は中国を一枚板の大家族に作り上げるまで止まらないよ。 - kikai-taro のブックマーク / はてなブックマーク

大事なのは動機だ、と言ったのはシャーロック・ホームズだったか誰だったか忘れたけど、なんでこの20年で中共があんなぐあいになってしまったのかなぁ、と思うと、ああ、これの先に何となく見えているのは、中国の客家の景色じゃないか――て、これ、もう殆ど直感ね。理屈抜き。

ファイル:Zhenchenglou.JPG - Wikipedia
福建土楼(振成楼)
客家 - Wikipedia

客家(はっか、ハッガー、ハッカ)は、客家語を共有する漢民族の一支流と規定される。ただし、中国の少数民族の扱いは受けていない。

ハッと気づくと西側列強の下請け工場的立場に置かれてしまって、安い労働力だけがウリというのも何か変じゃん? 何かイヤじゃん? と思うのは当然で、だったら西側の「資本主義経済」という仕組みに参加して豊かになりたいよな、そーだろ? みんな! ということで中国型資本主義というような回し方をしてきた、この20年だったんじゃないかな、と思うわけです。じゃあ、そのためにはどうしたらいいのか。

ここらへん、胡錦濤的エンジニアリング思考が効いているんじゃないかと思うんだけど、5千年だか6千年だか、まあ、なんか十年ごとに千年ずつ遡っていく中国の歴史の中で、基調というか通奏低音というか、「戦乱」というものが常にあるような状態で、だからそこで生き延びるための基本単位は何になるのかと考えると、家族とか地元とかの小さな集団じゃないかな、と。

家族や親族、一族郎党、町内会が生き延びるためには何でもやるよ、一肌脱ぐよ! そういう勢いがあるからこその今の中国の勢いなんだろうけど、となるとどうなるか。小集団同士の衝突が各地で頻発するわけです。すると、世間が常に騒がしいし安心して寝ることができなくなる。よし、オレがいっちょう束ねてやろうじゃないか、と一段高いところで一肌脱ぐのが出てくる。つまりこれが中国史に登場する英雄英傑なんじゃないかと。

国内で小競り合いしてエネルギーを浪費するのではなく、その力を束ねて、「資本主義経済」という基盤の上で大暴れしたら、それなりの益を得られるんじゃないか、なら、中国全土をひとつの家族のように束ねたらいいのではないか――と、中国共産党習近平は考えているんじゃないか、と思うわけです。そのためには何でもやるよ、一肌脱ぐよ、ということでの国内外への監視の目もその一環なんじゃないか、と。

ただ、その一族郎党、町内会的勢いというのが、西欧的なスタイルと噛み合わないところがあって、その辺で「あいつら中国人は信用ならない」という認識を生んでいるところもあるし、そもそも勢いが過ぎて論理的に破綻しているところも見え始めていて、少々あやういなぁ、と。

まあ、ただ、中共も西側も、基本的な原動力は「経済」というやつらしいのは同じで、カネが基本原理なんだねぇ、中国も米国も、と。民主主義とか自由とか人権とかいうのも、動力部分がそんな基本原理だったりするので気をつけないと、ね。