ドロ舟のカナヅチ

時事評論もどきを、天の邪鬼が語ります。

Googleが脅威を感じている ChatGPTとお喋りしてみた

「ChatGPTは2年でGoogleを破壊できる」とGmailの生みの親が警告

「回答の内容の正確性については一切考慮していません」――真実はヒトの数だけある。それが事実に即しているか否かは、実は大した問題じゃないんだよ。近似値で他者と合意できるかどうかが大事。Googleは気づいてる。

2023/02/01 16:26


「回答の内容の正確性については一切考慮していません」――真実はヒトの数だけある。それが事実に即しているか否かは、実は大した問題じゃないんだよ。近似値で他者と合意できるかどうかが大事。Googleは気づいてる。 - kikai-taro のブックマーク / はてなブックマーク

 

ということで、遅蒔きながら ChatGPT を使ってみた。内容の正誤善悪はともかく、Googleが脅威に感じるであろうことは実感できたと思う。これは、事物の本質がその表層にこそあるということを示しているのかもしれない――なんて小難しいことは放っておいて、まずはお喋りの内容を紹介。THE TRUTH IS OUT THERE.(真実はそこにある)

宇宙の存在意義とか、絶対的価値についてとか訊ねたんだけど、そんなことよりも分かりやすい例として、自宅でうまいコーヒーを安く飲むにはどうすればいいか訊ねてみた。

実際の利用画面ではそれぞれの発言(入力文と回答文)の文頭にアイコンが表示されていたのだが、ここでは「me」(わたし)、「ChatGPT」と書き直してある。文章そのものには手を加えていない(箇条書きの番号は はてなブログの機能で付加した)。

 

◆ ここから ◆

 

me: 自宅で、おいしいコーヒーを安く飲む方法は?
ChatGPT: 自宅でコーヒーを飲むときに安くおいしいものを飲むには、以下の方法があります:

  1. コーヒー豆を直接購入して、自分で挽いていただく
  2. コーヒーメーカーを使用する
  3. コーヒーカフェでのポットを買う代わりに、インスタントコーヒーを使用する

自分でコーヒー豆を挽く方法が一番安いですが、最も手間がかかります。お好みに応じて方法を選んでください。

 

me: 直前の質問について、重ねて訊ねてもよろしい?
ChatGPT: もちろん、どのような質問であってもお答え致しますので、どうぞお気軽にお尋ねください。

 

me: Googleアシスタントなら、何て答えたと思う?
ChatGPT: Google Assistantは、このような質問に対して、以下のような答えをする可能性があります:

"At home, one way to have a tasty and cheap cup of coffee is to buy coffee beans in bulk and grind them yourself, using a coffee grinder. You can also use a coffee maker or opt for instant coffee instead of buying a pot at a coffee shop."

 

me: なるほど。内容は殆ど違わないね。日本語で答えるだけ、Chat GPTのほうが素敵かもしれない。
ChatGPT: はい、そのとおりです。OpenAI の ChatGPT は多言語モデルとしてトレーニングされており、日本語も含め多言語に対応することができます。日本語での答えが必要な場合は、ChatGPTをお使いいただくのが良いかもしれません。

 

me: わかった。どうもありがとう。
ChatGPT: どういたしまして。ご質問ありがとうございました。お手伝いできて光栄です。何か他にお困りのことがありましたら、遠慮なくお尋ねください。

 

◆ ここまで ◆

 

美味しいコーヒーを飲む方法と、安く飲む方法とが分けられて回答されているのはご愛敬なんだけど、この会話の自然さ加減は、いま現在の Android端末における Googleアシスタント(「おーけー、ぐーぐる!」)に私が求めているものそのものじゃないか、と感じた。「自分で挽いていただく」だって。「いただく」だよ? 「飲む」じゃなくて。

これに加えて具体的なインスタントコーヒーの銘柄を幾つか上げて、それぞれの特徴とか、ChatGPT からの逆質問で、コーヒーに対する私が気づいていない私自身のこだわりを見つけ出して「おすすめの商品は……」とか教えてくれるようになるのも、既に時間の問題か。

Googleだと検索結果とか、ECサイトのページへの画像付きリンクとかが並ぶだけだけど、そんな「セルフ販売」とは違って、AIエージェントは(一見したところでは)親身になって相談に乗ってくれる。Googleが情報源への道筋を幾つか教えてくれる「検索結果」なのに対して、AIエージェントは情報そのものを教えてくれ(ているように見え)る。

否定的な言い方をすれば、そんな AIどもは人間から判断力や選択の余地を奪っているのかもしれない。けど、実際のところ人類の8割はそれで満足すると思うよ。果たしてそれが後世の評価に耐えうる状況であるかどうかは別にして。

 

ところで、質問「Googleアシスタントなら、何て答えたと思う?」に対する ChatGPTの回答「Google Assistantは、」の部分は瞬間的に返ってきた。そのあとの部分は、日本語でのやり取りに見られるもたつきがあったけど。やっぱり Googleのことを気にしてるのかな。こんど訊いてみよう。

 

著作権について調べてみた】

ここに対話(Content)をそのまま掲載してもいいのかどうかと思って、ChatGPTに訊ねてみたら、ある URLを教えてくれたのでクリック。すると 404エラーだったので、その旨を教えてあげたら、「https://openai.com/ から検索を開始し、『Legal』や『Terms of Use』などの関連ページを探すことができます」とさらに教えてくれた。

そこで見つけたのが「3. Content」の項目。要約すると、質問と回答は「コンテンツ」と呼ばれる単位で、規約を守る範囲で「コンテンツ」の権利なんかをユーザは利用できる。ただし、生臭かったりヤバイ使い方をしちゃダメよ、ということらしい。英語の原文を以下に載せておく。大丈夫そうだね。

あ~、関係ないけど、ソースコードのお花がキレイ。

 

https://openai.com/terms/

3. Content

(a) Your Content. You may provide input to the Services (“Input”), and receive output generated and returned by the Services based on the Input (“Output”). Input and Output are collectively “Content.” As between the parties and to the extent permitted by applicable law, you own all Input, and subject to your compliance with these Terms, OpenAI hereby assigns to you all its right, title and interest in and to Output. OpenAI may use Content as necessary to provide and maintain the Services, comply with applicable law, and enforce our policies. You are responsible for Content, including for ensuring that it does not violate any applicable law or these Terms.

 

国家の統治スタイルと、国家の経済スタイルは別のハナシらしい ソレハソレ、コレハコレ

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/01/post-97778.php

中国が資本主義経済というプラットフォームを使いこなしている。人口を生産力としてではなく、消費力として資本主義経済圏で武器化するのに成功していると言えるか。

2022/01/05 17:30


中国が資本主義経済というプラットフォームを使いこなしている。人口を生産力としてではなく、消費力として資本主義経済圏で武器化するのに成功していると言えるか。 - kikai-taro のブックマーク / はてなブックマーク

「2位じゃダメなんでしょうか?」という言葉は既に使い古されたものになったけど、組織や国家ではダメなんだろうな、と。もちろん、個人が1位である必要性なんてなくて、そもそもそういう順位を問題とすることには前提として、誰かが決めたスケールがあるわけで、そのスケール上での競争での「1位」とか「2位」なんだけど。

「1位」という順位づけが必要になるのは、主に何かの価値交換がおこなわれる場面であって、たとえばスパコンは1位じゃないと誰も使ってくれない、買ってくれない。なぜかと言うと計算性能が一番重要なスケールになるからです。スパコンでクリティカルな問題をシミュレートしようという人たちは、値切ったりしません。いろんな意味でその必要がないから。Core i5だけど安いからコッチにしよう、なんて決め方はしないはずです。

ということで、「1位」というのはそれなりに重要な意味を帯びるわけです。

個人成績での「1位」というのは、その競争の母集団の数の多さもあって、個々人の努力もさることながら運の力も大いに影響する分野で、「2位」であっても「3位」であっても、たとえそれが「入賞」とか「上位10パーセント」であっても大いに意味があると思います。全国模試上位20パーセントとか、十分に有意でしょ? 

これは、ここでのスケールが直接に何かの価値交換に影響するものではないからこその「2位でもいいですよ」なわけです。五輪優勝者がその記録を換金化するのは、優勝とは別の話です。

さて、国際競争での「1位」というのはどういう意味合いを持っているのかな、と考えてみると、もちろん「1位」であるに越したことはないわけですが、それは個人成績の「1位」にも似て、一種の棚ぼたとか天恵に似ているのかな、と。努力してみたらたまたま1位になれた、頑張ったらトップの座を射止めたといったものでしょう。これは競争相手がたくさんいる、つまり競争の母集団が大勢いると同時に、努力や頑張る主体を構成している構成員=国民も大勢いて、不確定要素が大きいからだと考えます。構成員だけでなく、歴史や地政学的な要因もあります。

なので、頑張って「1位」をとれるものではないのかな、と。

が、「1位」になることをどう取り扱うのか、何を持って測れば「1位」になれるのか、その辺には大いに注意を払うべきかと。同じものでも定規の当て方ではトップになったりならなかったりするわけです。

中国は今のところ、世界最大の人口を持つ国なわけですが、これを生産者としての世界一と測るか、消費者としての世界一と測るか、その辺の感覚が抜かりないな、と思うわけです。資本主義経済のスケールを巧いこと使いこなしている。ただこれも、中華人民共和国の国境の内側という版図のとらえかたによってビミョーな雰囲気が醸されてしまうことも確かなわけで、そこんところに中共と最高指導者は心を砕いているのではないでしょうか。

その辺、日本はまだまだナイーブなのかな、と思うわけです。

国をひとつの大家族に作り上げる夢

連行されて分かった、中国は外国人をここまで監視している 尾行・監視は当たり前、そんな国で五輪を開催させていいのか | JBpress (ジェイビープレス)

無邪気な日本人は気づかないと、スマホのアプリで抜かれた情報が、こういう場面で役立っているのかも。習近平は中国を一枚板の大家族に作り上げるまで止まらないよ。

2022/01/03 09:52


無邪気な日本人は気づかないと、スマホのアプリで抜かれた情報が、こういう場面で役立っているのかも。習近平は中国を一枚板の大家族に作り上げるまで止まらないよ。 - kikai-taro のブックマーク / はてなブックマーク

大事なのは動機だ、と言ったのはシャーロック・ホームズだったか誰だったか忘れたけど、なんでこの20年で中共があんなぐあいになってしまったのかなぁ、と思うと、ああ、これの先に何となく見えているのは、中国の客家の景色じゃないか――て、これ、もう殆ど直感ね。理屈抜き。

ファイル:Zhenchenglou.JPG - Wikipedia
福建土楼(振成楼)
客家 - Wikipedia

客家(はっか、ハッガー、ハッカ)は、客家語を共有する漢民族の一支流と規定される。ただし、中国の少数民族の扱いは受けていない。

ハッと気づくと西側列強の下請け工場的立場に置かれてしまって、安い労働力だけがウリというのも何か変じゃん? 何かイヤじゃん? と思うのは当然で、だったら西側の「資本主義経済」という仕組みに参加して豊かになりたいよな、そーだろ? みんな! ということで中国型資本主義というような回し方をしてきた、この20年だったんじゃないかな、と思うわけです。じゃあ、そのためにはどうしたらいいのか。

ここらへん、胡錦濤的エンジニアリング思考が効いているんじゃないかと思うんだけど、5千年だか6千年だか、まあ、なんか十年ごとに千年ずつ遡っていく中国の歴史の中で、基調というか通奏低音というか、「戦乱」というものが常にあるような状態で、だからそこで生き延びるための基本単位は何になるのかと考えると、家族とか地元とかの小さな集団じゃないかな、と。

家族や親族、一族郎党、町内会が生き延びるためには何でもやるよ、一肌脱ぐよ! そういう勢いがあるからこその今の中国の勢いなんだろうけど、となるとどうなるか。小集団同士の衝突が各地で頻発するわけです。すると、世間が常に騒がしいし安心して寝ることができなくなる。よし、オレがいっちょう束ねてやろうじゃないか、と一段高いところで一肌脱ぐのが出てくる。つまりこれが中国史に登場する英雄英傑なんじゃないかと。

国内で小競り合いしてエネルギーを浪費するのではなく、その力を束ねて、「資本主義経済」という基盤の上で大暴れしたら、それなりの益を得られるんじゃないか、なら、中国全土をひとつの家族のように束ねたらいいのではないか――と、中国共産党習近平は考えているんじゃないか、と思うわけです。そのためには何でもやるよ、一肌脱ぐよ、ということでの国内外への監視の目もその一環なんじゃないか、と。

ただ、その一族郎党、町内会的勢いというのが、西欧的なスタイルと噛み合わないところがあって、その辺で「あいつら中国人は信用ならない」という認識を生んでいるところもあるし、そもそも勢いが過ぎて論理的に破綻しているところも見え始めていて、少々あやういなぁ、と。

まあ、ただ、中共も西側も、基本的な原動力は「経済」というやつらしいのは同じで、カネが基本原理なんだねぇ、中国も米国も、と。民主主義とか自由とか人権とかいうのも、動力部分がそんな基本原理だったりするので気をつけないと、ね。

「コロナ禍」の総括の季節がやってきた(夏の課題)

「また…」 東京 4回目の緊急事態宣言 暮らしはどうなる? | 新型コロナウイルス | NHKニュース

「この一年間、何をやってきたのか。どうすればよかったのか。これからどうするのか」一一夏休みの自由研究課題だな。

2021/07/08 20:10

月曜日が期末試験の苦手科目の試験日で、その前日が幸いにして日曜日。学校から帰ってきた土曜日の昼過ぎに、「今日あすで、△△の問題を2回解ける」とか威勢のいいことを言っていた息子だけど、案の定、パソコンの画面でマンガばかり読んでいたんだろうと思う。それも著作権的に非常に問題がありそうなやつなんだけど(なんで YouTubeはあんなのを結果として許しているンだろうか)。

日曜日も夕方になって、ようやく明日の試験範囲を確認するなんて、どうかしてるゼ、息子よ。まあ、客観的に見ればね。

息子は自分の気持ちに負けてしまって、現実への対処が疎かになっているけど、これは大半の人に当てはまる経験だと思う。もちろん私も立派な経験者であって、開き直って言わせてもらえば、圧倒的大多数である一般大衆の特権的人生経験だ エヘン(わけわからん)。

コロナ禍の所為で、去年から学校がネットを使って課題や資料を配布したり、YouTubeで授業動画を流したりするから、息子はどうしても誘惑に負けるわけだ。おそらくうちの子だけでなく、相当数の生徒が同じ罠にはまっているだろう。学校側は、この一年間の知見を糧にしてもらいたい。(ていうかさ、初等教育中等教育向けの「デジタル砂箱」を国で作ればいいんだよ。中国のグレート・ファイヤーウォールのミニ版みたいなやつ。無免許の子供にスポーツカー与えてネット公道を自由に走らせてるくせに、頭髪の色や縮れ具合を気にするなんて滑稽だよね)

この点は日本政府をはじめとして、みんなから選ばれた「公人」と呼ばれる人たちにも当てはまるわけで、この一年間、コロナ禍と呼んでいるこの事態に対する判断と行動とを反省する時期がやってきている。言ってみれば、この夏の研究課題を突き付けられているわけだ。

一年以上まるまる回してみて、医学的とか科学的とか知見は蓄積されているだろう。ワクチンがその代表例だろうし、死亡者数が減ってきているのも保健・医療現場の知見と努力の賜物。スパコン富岳でのシミュレーションで、こういうマスクのつけ方や座り方がふさわしいというのもわかってきている。人の動き(人流)を携帯電話やスマホの位置情報を使って計測することで、どのようなマクロな活動が感染を広げるのかもわかってきた。

翻って、政治の判断と行政の動きはどうだったのか。そこを反省するための考え方の枠組み、フレームワークについて作り始めないと、同じことを繰り返すだろう。2002年のSARSの際に、他山の石として政治判断と行政活動をおこなっていたとしたら、どうだったろうか。「もしこの事態と同等のことが、日本で将来起きたらどうなるのか?」について考え、準備をしていたとしたら。

まあ、こんなこといくら言ったところで、後付けで、あとの祭りなんだけど。

すべてを水に流すのが得意な日本人のことだから、災厄に対する処し方の失敗を忘れるだけでなく、その失敗を反省することすらも忘れるんだろう。都合の悪いことはなかったことにするという必殺技が通用する期間は、あと何年残されているだろうか。自然災害や感染症は、科学的で統計的な存在だから、人間側の都合や思いなんて忖度してはくれない。お友達価格とか通用しない。そういうことだ。時計は止められない。

 

最初の緊急事態宣言を使って、「巣ごもり全日本カップ」をやってれば、今頃は個人端末を持たない国民は一人もいなくて、マイナンバーは普及しきって、ワクチン接種の一括管理もスムースにできていただろう。重傷者だって死者だって減らせただろう。

日本が世界に冠たるデジタルゲームを使って新型コロナ危機に相対しようと、どうしてしなかったのかがわからくて不思議なんだけど。つまりは、「クールジャパン」と持てはやしていたところで、政治家や官僚や行政者がまともに取り合っていなかったということなんだろう。「クール」の使い方が二重に間違ってるゼ。

「そもそも話」になるけど、2002年のSARS騒動の時には iモードの時代で、すでに日本全国を丸ごと網羅できるような情報環境に移行するだけの素地はあったのだ。が、昭和脳なオジサン達にはわからなかったんだろうと思う。所詮お・あ・そ・び、て。

もしも 2002年に「iモード・ザ・ジャパン」のような情報環境が確立されていたとしたら、今頃はスマホじゃなくてガラケー iモードが世界標準端末になっていた可能性もある。スティーヴ・ジョブズiPhoneなんて発明していなかったかもしれない。

◇ ◇

歴史に「もしも」は禁物だけど、そういう妄想を抱きたくなる。そして、どこの馬の骨ともわからない民草である私には、こういう妄想を無責任に吐き散らかす特権があるのだ。エヘン